昨今の混雑が話題に上がってもなお、多くの人がこの春も美しい桜の景色を求めて京都を訪れることが予想されます。オーバーツーリズムにより地元の人々がさまざまな不便を強いられているのは事実ですが、素晴らしい文化遺産の宝庫である京都が、多くの人にとって一生に一度は訪れたい場所であり続けるのは理解できます。
この記事では、人混みに圧倒されることなく春の訪れを楽しみたい方のために、京都の穴場桜スポットをご紹介します。
桜の種類によって見頃は毎年変わります。各スポットのSNSやウェブサイト、Instagramのページなどで最新情報をお出かけ前にチェックすることをお勧めします。また、たとえ満開を過ぎてしまっても、大丈夫です。雪のように散った花びらが地面を覆う様子も、また格別の美しさです。

原谷苑
ソメイヨシノより遅れて咲くことが多いしだれ桜がお好きなら、原谷苑は外せません。「村岩農園」が所有するこの庭園は、桜のシーズンのみ一般公開されます。一歩足を踏み入れれば、そこは別世界。広い庭園の隅々までが色彩と生命感に溢れています。休憩用の椅子も多く、緑豊かな遊歩道と落ち着いた雰囲気は、花を愛する人にとってまさに夢のような場所です。アクセスはシャトルバス、市バス、またはタクシーに限られますが、足を運ぶ価値は十分にあります。なお、近隣住民への配慮から、原谷苑は市バスの利用を極力控えるよう呼びかけています。
見頃: 3月下旬〜4月下旬
入園料: その年の開花状況により変動。大人最大1,800円、学生最大500円(高校生は学生証提示)。現金のみ。

竹中稲荷神社
吉田神社の摂社である竹中稲荷神社は、吉田山の山頂近くに位置し、美しく並ぶ赤い鳥居で知られています。伏見稲荷大社の有名な鳥居を見たいけれど、混雑を避けたいという方にはここがおすすめです。近年知名度が上がってはいますが、伏見稲荷に比べれば圧倒的に静かです。春には鳥居の列を桜の枝が覆い、鮮やかな朱色と淡いピンクの幻想的なトンネルを作り出します。
見頃: 3月下旬〜4月上旬
入園料: 無料

南禅寺
南禅寺は明治時代の水路閣や美しい紅葉、三門からの絶景で知られる有名な寺院です。決して「隠れスポット」ではありませんが、広大な敷地があるため、他のスポットに比べればゆったりとお花見を楽しむことができます。重要文化財である三門の周辺には、ソメイヨシノ、八重桜、しだれ桜など約100本の桜が咲き誇ります。
見頃: 3月下旬〜4月上旬
入園料: 無料(境内)

京都府庁旧本館
京都府庁旧本館の中庭には、アーチ型の入り口から見える見事なしだれ桜があります。明治時代に建てられたルネサンス様式の建物は西洋の邸宅を思わせ、2004年には重要文化財に指定されました。
この桜は、円山公園にある有名な「祇園しだれ桜」の孫にあたります。中庭には他にも「容保桜(かたもりざくら)」など5種類の桜が植えられています。3月28日から4月12日には「観桜祭」が開催されます。
見頃: 3月下旬〜4月上旬
入園料: 無料

北野天満宮の梅の花
北野天満宮
上京区にある北野天満宮は「梅苑」で有名です。2月初旬から3月下旬にかけて、50種・約1,500本の梅を楽しむことができます。しかし、意外と知られていないのが桜の名所でもあるということです。特に「北野桜」という珍しい品種があります。4月中旬に見頃を迎えるこの白い桜は、2016年に新種として発見されたもので、ここでしか見ることができません。
見頃: 4月上旬〜中旬(北野桜)
入園料: 無料(境内)

宗忠神社
哲学の道や平安神宮などの有名スポットに囲まれながらも、宗忠神社は驚くほど静かな桜の風景を提供してくれます。本殿へと続く石段を登ると、ソメイヨシノのトンネルが迎えてくれます。石段の頂上からは、桜越しに真如堂の三重塔を望むことができます。
見頃: 3月下旬〜4月上旬
入園料: 無料

写真提供:正法寺
正法寺
正法寺は、全国から集められた600トンもの奇岩・巨石があることから「石の寺」と呼ばれています。4月上旬から中旬にかけて、ここでしか見られない優雅な桜の景色を楽しめます。特に「宝生苑」という庭園では、動物の形をした石の間にしだれ桜が咲き、背景には東山連峰を望む絶景が広がります。3月には梅園も楽しめます。市内中心部からは少し離れていますが、一見の価値ありです。
見頃: 梅は3月上旬〜中旬、桜は4月上旬〜中旬
入園料: 300円

建仁寺
東山区にある建仁寺は、歴史的な美術品や美しい庭園で知られています。特に法堂の天井に描かれた「双龍図」は圧巻です。実はここも桜の隠れた名所で、ソメイヨシノやしだれ桜、早咲きの河津桜など、さまざまな桜を境内で楽しむことができます。祇園からも近く、観光の合間に立ち寄るのに最適です。
見頃: 3月下旬〜4月上旬
入園料: 大人800円、中高生500円、小学生以下無料
避けるべき混雑スポット

清水寺
言うまでもありませんが、清水寺は常に人で溢れかえっており、桜のシーズンは特に凄まじい混雑になります。世界遺産であり、一度は訪れたい場所ですが、3月・4月のピーク時は避けるのが賢明です。

哲学の道
銀閣寺から南禅寺へと続く哲学の道は非常に美しいですが、道幅が狭いため、桜の時期は非常に混雑し、本来の静かな魅力を感じるのが難しくなります。どうしても行きたい場合は、早朝か日没時をお勧めします。

嵐山
竹林で有名な嵐山も、春には山々が桜で彩られます。メイン通りは広いですが、有名な飲食店や土産物店は非常に混雑します。嵐山周辺で落ち着いて桜を見たいなら、少し離れた「清涼寺」が穴場です。