京都の夏は厳しい暑さと湿気で知られていますが、古くから人々にはこの暑さをかわす知恵がありました。毎年5月から9月頃にかけて、料理店が川の上に臨時の木造テラスを設けて席を作り、客は心地よい川風と清らかな水音に包まれながら食事を楽しみます。これらの季節限定のテラスは、京都北部の静かな山あいの谷間では「川床(かわどこ)」、市内の鴨川沿いでは「川床(かわゆか)」や「納涼床(のうりょうゆか)」と呼ばれ、古都の夏を代表する風物詩として親しまれています。

竹樋(たけどい)を滑り落ちる素麺をキャッチしたり、鴨川を見下ろしながらカクテルに酔いしれたり、あるいは贅沢なディナーを堪能したり。今回は、京都で訪れるべき極上の川床(かわどこ・かわゆか)体験ができるおすすめスポット7選をご紹介します。

京都の夏の風物詩、流しそうめん

1. ひろ文

料理旅館「ひろ文」に全国から人々が集まる最大の理由、それは京都の夏を象徴する名物体験「流しそうめん」です。器で提供されるのではなく、半分に割った竹の樋を流れてくる冷やし素麺を、箸を使ってタイミングよくキャッチして味わうスタイル。自分の席を通り過ぎてしまう前に捕まえなければならず、ゲーム感覚で盛り上がる楽しさに満ちています。

貴船の杉林の奥深く、清流のすぐ上に設置された席は、京都市中心部よりも数度涼しく感じられます。勢いよく流れる水音、瑞々しい青もみじ、商いとしてのユニークな食体験が融合した「ひろ文」は、京都の夏のお出かけに外せない大定番です。なお、流しそうめんは事前予約ができないため、到着順に整理券が配布されます。特に週末は混雑するため、早めの時間帯を狙って訪れるのがおすすめです。

アクセス:出町柳駅から叡山電車で「貴船口」駅へ。そこから京都市バス(33系統)で「貴船」バス停まで向かうか、山道を徒歩で30分ほど散策しながら登ることもできます。「ひろ文」は貴船神社の奥宮のすぐ近くに位置しています。

公式ウェブサイト

京都・貴船の涼やかな川床の風景

2. 兵衛

より静かで洗練されたひとときを求める方には、貴船の中でも屈指のエレガントな川床を誇る「兵衛」がおすすめです。「ひろ文」から歩いてすぐの場所にあるこの料理旅館は、川の上に清々しく設置された川床で味わう季節の会席料理で知られています。京都の旬の味覚を散りばめたコース料理は、細部にまで職人の美意識が行き渡っています。

本格的な会席料理ほど張らなくても、併設のカフェなら気軽にこのロケーションを満喫できます。川床デッキの上で、抹茶ラテやコーヒー、ビール、軽食を味わいながら涼をとることができます。

アクセス:「ひろ文」と同様に叡山電車で「貴船口」駅へ向かい、33系統のバスで貴船のメインエリアへ。「兵衛」は参道をさらに少し進んだ先にあります。
兵衛

公式ウェブサイト

 

 
 
 
 
 
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3. イカリヤ食堂

京都の川床での食事は、和食だけに留まりません。鴨川を見下ろす築100年以上の町家を美しくリノベーションした「イカリヤ食堂」は、モダンな川床レストランとして府内屈指の人気を誇ります。メニューはフレンチやイタリアンをベースにしており、手打ちパスタ、季節の野菜、グリル肉料理、そして豊富なワインリストが揃っています。

活気あふれる心地よい雰囲気は、伝統的な雰囲気を味わいつつも、よりカジュアルに川床を楽しみたい若いローカル客や旅行者から熱い支持を集めています。

アクセス:京阪本線「祇園四条」駅、または阪急京都線「京都河原町」駅から徒歩約7分。木屋町通沿い、団栗橋の少し南側に位置します。

公式ウェブサイト

 

 
 
 
 
 
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4. BAR ATLANTIS

しっかりとした食事よりも夜のお酒を楽しみたいなら、「BAR ATLANTIS」が京都の夜を演出する最高の雰囲気を約束してくれます。

風情あふれる先斗町の路地裏に佇むこのスタイリッシュなショットバーは、鴨川に面した広々とした納涼床を備えています。夕暮れ、川沿いに提灯の灯りがともり始めると、シグネチャーカクテルやウイスキー、ワインを傾けながら、静かに夜を迎える街の情緒に浸る絶好の特等席となります。

特にカップルにとっては、京都で最もロマンチックな川床体験の一つとなるでしょう。

アクセス:京都の繁華街の中心に位置。阪急「京都河原町」駅または京阪「祇園四条」駅から徒歩3〜5分。四条通近くの趣ある先斗町の路地にあります。

公式ウェブサイト

画像提供:もみぢ家

5. もみぢ家

都会の喧騒を離れて深遠な自然に抱かれたいなら、京都市中心部から北西へ車で約30分、高雄の深い緑の森へ足を延ばしてみましょう。

料理旅館「もみぢ家」は、街の忙しさを完全に忘れさせてくれる別世界です。もみじの青葉が頭上を覆う中、清滝川の上にダイナミックにせり出した巨大な木造の川床は、京都の中でもドラマチックなロケーションの一つです。

盛夏の夜には、舞妓の演舞を鑑賞しながらの夕食を楽しめるほか、日が落ちると周囲の森にホタルが舞うこともあり、夢心地のような幻想的な宴を彩ってくれます。

アクセス:JR京都駅からJR嵯峨野線で「花園」駅まで約12分。そこから旅館の無料送迎バスを利用(約15分、要事前予約)。またはJR京都駅から高雄方面行きのJRバスで約50分。

公式ウェブサイト

写真左下に見えるのが「先斗町 いづもや」の鴨川納涼床

6. 先斗町 いづもや

四条大橋のたもとで何十年にもわたり暖簾を掲げる「先斗町 いづもや」は、京都の伝統的な鴨川納涼床を象徴する名店です。

鴨川を見渡す広々とした川床テラスからは絶景が広がり、メニューには京都の夏を代表する名物料理がずらりと並びます。中でも名物は、京都の夏には欠かせない旬の「鱧(はも)」料理。極上のすき焼きや、見た目も美しい京会席と共に味わうことができます。

Getting There: アクセス:阪急「京都河原町」駅(1A出口)または京阪「祇園四条」駅から徒歩1〜2分。四条大橋の西詰、先斗町の入り口に位置します。

公式ウェブサイト

7. スターバックス コーヒー 京都三条大橋店

京都で最も気軽に体験できる川床は、意外な場所にも存在します。三条大橋のすぐ側にあるスターバックスでは、毎年夏になると鴨川の上に伝統的な木造の納涼床デッキが設置されます。ドリンクを1杯注文するだけで、追加料金なしでテラス席を利用できるため、歴史ある川床文化を最もリーズナブルに楽しめるスポットと言えます。

会席料理はありませんが、蒸し暑い京都の午後に、川のせせらぎを眺めながらアイスラテをすする時間は、格別のリフレッシュになるはずです。

アクセス:京阪「三条」駅、または地下鉄東西線「三条京阪」駅から徒歩3分。歴史ある三条大橋の西側に位置します。

京都の川床・納涼床を楽しむためのポイント

  • 多くの川床・納涼床は5月から9月にかけて営業していますが、店舗によって具体的な開始・終了時期は異なります。
  • 鴨川沿いの市中心部にある人気店は、週末や祝日になると何週間も前から予約で埋まるため、事前予約を強く推奨します。
  • 貴船や高雄などの山あいにある川床は、京都市内に比べて気温が数度低いため、真夏の避暑地として特に人気があります。
  • 川床席は完全な屋外スペースとなるため、雨天や荒天が予想される場合は、店舗内の室内席へと案内されるのが一般的です。