東海道新幹線の東京駅と新大阪駅のほぼ中間に位置する浜松市は、実は歴史、工芸、食文化、そして広大な自然が詰まった宝庫です。2日間ここで過ごせば、城跡や茶室から、風に吹かれる砂丘や湖畔の温泉まで、この街の多彩な魅力が見えてくるはずです。静岡で最も過小評価されている目的地の一つ、浜松を満喫する週末の旅のプランをご紹介します。

1日目:城、文化、そして海岸へ

浜松城

浜松の旅の始まりは、この街の原点を知ることができる浜松城から。日本三英傑の一人、徳川家康は将軍になる前の多難ながらも重要な時期をここで過ごしました。現在の城郭の多くは再建されたものですが、400年以上保存されている石垣は当時のままです。 高台に位置し、防御に優れたその構造からは、家康が16年間拠点とした戦略的な重要性をうかがい知ることができます。

松韻亭

城郭公園の一角にある「松韻亭」は、抹茶や地元の煎茶、季節の上生菓子を楽しめる伝統的な茶室です。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の改修で知られる名建築家・谷口吉生氏の設計によるこの茶室は、屋内と屋外がシームレスに繋がるデザインが特徴で、静かで瞑想的なひとときを提供してくれます。

元城亭

ランチには浜松の定番、うなぎを。ホテルコンコルド浜松の18階にある「元城亭」では、浜名湖産のうなぎを、素材の味を活かした「白焼き」と甘辛いタレの「蒲焼き」の両方で楽しめます。また、非常に柔らかく脂ののった希少な「出世鰻」を味わえる数少ない場所でもあります。

浜松まつり会館

午後は浜松まつり会館へ。大凧や豪華な屋台(山車)が展示された広々とした空間は、毎年5月3日から5日に開催される「浜松まつり」の熱気を伝えてくれます。子供たちの健やかな成長を願うこの祭りの精神を、没入感のある展示とともに体験できます。

中田島砂丘

会館から南へ徒歩10分、太平洋を望む絶景が広がります。日本三大砂丘の一つである中田島砂丘は海岸沿いに4km続き、絶えず吹く風によって描かれる風紋が美しい模様を描き出します。冬の澄んだ空気は地平線をくっきりと際立たせ、春夏にはウミガメの産卵場所としても保護されています。

スイーツバンク

移動の合間に、かつての銀行の建物を活用したユニークな施設「スイーツバンク」に立ち寄ってみましょう。実物の13倍もの大きさの巨大なダイニングテーブルや椅子のオブジェに囲まれたこの空間は、コーヒーやスイーツを楽しみながら遊び心あふれる写真を撮るのに最適です。

弁天島海浜公園

夕暮れ時、弁天島海浜公園ではこの地域で最も印象的な景色を望めます。湖上に浮かぶ赤い鳥居はそれだけでも美しいですが、冬の特定の時期には、夕日がちょうど鳥居の枠の中に沈んでいく幻想的な光景を見ることができます。

ホテルウェルシーズン浜名湖 & 華咲の湯

一日の締めくくりには、舘山寺にある「ホテルウェルシーズン浜名湖」へ。浜名湖最大級の温泉リゾートで、地元の名物を揃えたビュッフェや広々とした温泉施設が魅力です。

ホテル直結の温泉施設「華咲の湯」には、美しい庭園を望む露天風呂など10種類の浴場があり、2種類の異なる源泉を楽しめます。また、宿泊者専用の露天風呂「ひとときの湯」では、森の空気を感じながら静かに一日の疲れを癒すことができます。

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2日目:花々と発酵の香りを巡る

はままつフラワーパーク

2日目の朝は「はままつフラワーパーク」から。あしかがフラワーパークの大藤を成功させた日本を代表する女性樹医・塚本こなみ氏が理事長を務めるこの園内には、桜、バラ、藤など四季折々の花々が咲き誇ります。東京ドーム約6.4個分の広大な敷地を、可愛らしい「フラワートレイン」に乗って巡ることもできます。

かんざんじロープウェイ

続いて、かんざんじロープウェイで浜名湖を越えて大草山へ。湖と街並みを見渡すパノラマビューは気分をリフレッシュさせてくれます。

浜名湖オルゴールミュージアム

山頂には「音楽の街・浜松」を象徴する浜名湖オルゴールミュージアムがあります。アンティークオルゴールの懐かしく優しい音色が空間を満たし、ヤマハやカワイといった世界的な楽器メーカーを育んだ街の歴史を感じさせます。

石松餃子

浜松市街に戻り、ランチにはもう一つの名物「浜松餃子」を。円盤状に焼かれ、中央に茹でもやしを添えるのが浜松流。野菜たっぷりでヘルシーなため、驚くほどたくさん食べられてしまいます。

竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)

湖畔の北には、全く異なる浜松の顔「竜ヶ岩洞」があります。東海地方最大級の鍾乳洞で、2億5千万年かけて形作られた神秘的な景観を400mのコースで巡ります。フルーツコウモリに間近で会える展示も人気のスポットです。

明治屋醤油(醤油しぼり体験)

午後は明治屋醤油で、伝統的な醤油造りを体験しましょう。大きな木桶が並ぶ蔵を見学した後、もろみを絞って自分だけの醤油を作ることができます。日本の食生活に欠かせない調味料の奥深さを知る貴重な機会です。

花の舞酒造(日本酒しぼり体験)

お酒が好きな方には、150年以上の歴史を持つ「花の舞酒造」がおすすめ。実際にもろみを絞って自分だけの一本を作る体験ができます。静岡の清らかな水と米が生み出す、雑味のない洗練された味わいを堪能してください。

飾らず、穏やかでありながら、発見に満ちた街、浜松。2日間では語り尽くせない魅力がまだまだあります。ぜひ、次の旅の目的地に加えてみてはいかがでしょうか。