今年初め、待望の「ポケパーク カントー」がその扉を開き、世界中からノスタルジーに胸を膨らませた熱きポケモントレーナーたちが一斉にこのアミューズメント施設へと駆けつけました。しかし、ポケパークが初の常設ポケモンテーマパークである一方で、日本各地には、愛されるポケットモンスターの魔法を日常の遊び場に落とし込んだ、地域密着型のテーマ公園や遊具広場がいくつも存在しています。
現在、日本全国のさまざまな都道府県とタッグを組んだ、公式の「推しポケモン(ポケモンローカルActs)」が12匹指定されています。これらのキャラクターは、自動販売機や土産物、マンホールの蓋(ポケふた)、公共交通機関などに描かれ、まさにその地域の顔として活躍しています。そのうち6匹のポケモンには、それぞれ専用の遊具公園が用意されています。一方で、北海道のアローラロコンやロコン、宮崎県のナッシーなどのように、地域の限定グッズやマンホール、乗り物には登場するものの、まだ自身の名前を冠した公園を持っていないポケモンもいます。
これらの公園は、普通のブランコにポケモンのステッカーをただ貼り付けただけのような、安易なものではありません。地域の魅力をしっかりと体現し、ファンが夢に見た「大自然のなかで可愛いポケモンたちと遊ぶ」というシチュエーションを叶えてくれる、色彩豊かなオアシスなのです。これらの公園は、推しポケモンたちと同様に、株式会社ポケモンが取り組む地域活性化プロジェクト「ポケモンローカルActs」の一環として誕生しました。日本全国にある、その素晴らしい公園の数々をご紹介します。

画像編集:佐藤絢 | ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
「ポケモンローカルActs」プロジェクトとは?
株式会社ポケモンが2018年から開始した、日本の様々な地域の魅力を国内外に発信する取り組み「ポケモンローカルActs」。このプロジェクトでは、それぞれのポケモンの特徴や個性が、各都道府県の持つ独自の魅力やイメージと親和性があることから、慎重に選定されてパートナーシップが結ばれました。
このプロジェクトは、国内のみならず海外からの観光客にも、日本の多様な地方へ足を運んでもらうきっかけを作っています。地域に根ざしたご当地ゆるキャラマスコットのように、ご当地ポケモンたちはその場所に親しみやすい顔とチャーミングな個性をもたらし、認知度を高める役割を果たしています。これらの遊具広場は、一般の公園内や近隣の観光スポット、あるいは道の駅などに設置されており、長距離のドライブの際にも子どもたちが楽しくリフレッシュできる絶好の休憩スポットとなっています。
「まずは子どもたちにとって魅力的な、外で遊べる場所を作りたいと考え、真っ先に思い浮かんだのが公園というシチュエーションでした。……公園で遊ぶことを通じて、ポケモンが子どもたちの身近な存在、日常のひとコマになれば」と、株式会社ポケモンは公式サイトでその想いを明かしています。

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ラッキー公園(福島県)
幸せを運び、面倒見が良いことで知られる、看護能力に長けたポケットモンスターのラッキーは、専用の遊具公園が作られた最初のポケモンです。2021年、道の駅なみえに最初の「ラッキー公園」がオープンしました。ラッキーというキャラクターは、まさに福島県にうってつけでした。その名前が、福島の「福」という漢字と完璧にリンクするからです。また、ラッキーの持つ癒やしの性質や看護のイメージは、2011年3月の震災による甚大な被害から今なお歩みを進める同県にとって、復興への願いを込めるのにふさわしいパートナーでもありました。
浪江町とポケモンのつながりは非常に深いものがあります。ポケモンの生みの親であり、ゲームデザイナーの田尻智氏の父親の出身地がこの浪江町なのです。同町は福島第一原子力発電所の北側に位置し、2011年の震災で甚大な被害を受けました。地震、津波、そして避難指示を含む原子力災害という大きな試練を経験した浪江町に対し、ポケモンは地域に笑顔と笑い声を呼び戻す手助けをしたいと、コミュニティへ遊具の寄贈を決定しました。
広場には、高さ6メートルにも及ぶ巨大なラッキーの複合遊具が設置されており、道の駅に近づくと道路からでもその姿をはっきりと見ることができます。のどかな風景のなかに突如現れる鮮やかなピンクの色彩は、訪れる人々を驚かせます。公園内には他にも、ピカチュウのベンチ、キャモメのブランコ、ピッピとププリンのシーソー、ピンプクの砂場、そしてベロリンガのすべり台(そう、あの長い舌の上をすべり降りるデザインです!)が並んでいます。
さらに、ラッキー仕様の自動販売機や、屋内のキッズスペース、道の駅の館内でしか手に入らない限定のラッキーグッズなど、見どころが満載です。
道の駅なみえの拠点が最大のラッキー公園ですが、福島県内には他にも複数のラッキー公園が展開されています。
ラッキー公園 設置場所
- 浪江町:道の駅なみえ
- 郡山市:開成山公園
- 昭和村:道の駅からむし織の里しょうわ
- 柳津町:道の駅会津やないづ

画像提供:©道の駅いわて北三陸 | ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
イシツブテ公園(岩手県)
「岩に手」というその名がそのまま表すように、岩を象ったいわタイプポケモンである「イシツブテ」と、岩手県のペアリングはまさに必然でした。2019年にイシツブテが同県の「いわて応援ポケモン」に正式就任したことを受け、2023年には久慈市に北東北初となるイシツブテ公園が誕生しました。公園の主役となるのは、いわタイプのポケモンたちがあしらわれた大型のアスレチック遊具で、イシツブテをはじめ、プテラ、イワーク、そして伝説のポケモンであるオーガポンなどの姿が見られます。
この「イシツブテ公園」には他にも、チゴラスやイワンコのスプリング遊具、イシツブテのブランコ、そしてまるでイシツブテが力強く乗り手を空気中へと持ち上げているかのように見えるデザインのシーソーが設置されています。

画像提供:©道の駅いわて北三陸 | ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
イシツブテ公園 設置場所

画像提供:@laplace_miyagi(X) | ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ラプラス公園(宮城県)
専用のテーマ公園がつくられた3匹目のポケモンが「みやぎ応援ポケモン」のラプラスです。アニメやゲームのなかで、この非常に知能の高いポケットモンスターは、しばしばその背中に人間や他のポケモンを乗せて海を渡る、乗り物のような役割を果たします。心地よい潮風や青い海の波しぶきを連想させるラプラスは、太平洋に面した美しい海岸線を持つ宮城県のイメージにこの上なくマッチしています。
2025年、最初のラプラス公園がモリリン加瀬沼公園内にオープンしました。地面にはラプラスが「泳いだ」あとにできる波紋を模した、白と青の鮮やかなカラーリングが施されています。公園の中央に鎮座するこの穏やかな巨人は高さ4メートルにも及び、子どもたちはその甲羅をすべり台としてすべり降りることができます。
小ぶりのラプラスはブランコやロッキング遊具にもあしらわれているほか、背中に乗れるタマンタ、ホエルコ、サメハダーの遊具も並びます。さらに、数匹のウミディグダが楽器の鉄琴を守るように立っており、子どもたちが音を鳴らして実験できるようになっています。貝殻のドームを覗き込むと、地面からもう一匹のウミディグダが顔を出しているのを見つけることができます。
公園内にはスマートフォン用のスタンドも設置されており、ラプラスと一緒に可愛い記念写真を撮影するのに役立ちます。
ラプラス公園 設置場所

画像提供:©香川県観光協会 All Rights Reserved |
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ヤドン公園(香川県)
ヤドンが香川県の「うどん県PR団」に任命されたのは、その日本語名「ヤドン」の響きが、香川の名物料理である「うどん」に少し似ているという理由からです。うどんは日本のほぼどこでも食べられますが、香川県は600以上のうどん店が独自のこだわりを競い合う、名実ともに日本の「うどんの首都」として知られています。香川県の公式ゆるキャラである「うどん脳」もまた、うどんを愛しすぎるあまり、脳みそがうどんの麺になってしまったという筋金入りのうどん狂です。
興味深いことに、ヤドンと香川県には「甘い」つながりもあります。このポケモンは尻尾から甘い汁を分泌することで知られていますが、香川県は国際的な「希少糖」研究の世界的リーダーでもあるのです。
香川県には、世界で唯一のヤドンをテーマにした公園があり、そこには愛らしくてのんびりとしたピンクのポケモンたちがたくさん暮らしています。なかでも丘の上にゆったりと横たわる巨大なヤドンは、開いた大きな口がトンネルになっており、探検したりフォトスポットとして楽しむのに最適です。ベンチやブランコ、小さな橋、そしてゲームの「ヤドンのいど」を彷彿とさせるロッキング遊具など、いたるところにヤドンの姿があります。また、公園の各所には複数のシェルダーの姿も見え隠れしています。
ヤドン公園 設置場所
- 綾川町:ひだまり公園あやがわ

画像提供:PR Times | ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
サンド公園(鳥取県)
日本で最も人口の少ない都道府県である鳥取県は、壮大な山々や温泉、そして日本最大級の海岸砂丘(鳥取砂丘)など、豊かで手つかずの自然景観に恵まれています。鳥取砂丘が同県を代表する一大観光地であることから、地中に身を隠すねずみポケモンの「サンドとアローラサンド」が「とっとりふるさと大使」に選ばれたのは、ごく自然な流れでした。
この「サンド公園」は、中国地方初となるポケモン遊具公園です。ただし、他の地域のポケモン公園とは少し異なり、19ヘクタールもの広大な敷地を持つ児童遊園施設「鳥取砂丘こどもの国」の園内に位置しています。そのため、サンド公園にアクセスするには「こどもの国」の入園料を支払う必要があります。とはいえ、チケット料金は高校生以上でも最高500円、中学生以下は無料と非常にリーズナブル。さらに、園内にはサンド公園を満喫したあとも一日中遊べる豊富なアクティビティが用意されています。
他のポケモン公園と同様に、サンド公園も楽しいテーマ性にあふれた遊具で満たされています。サンドのシーソー、スプリング遊具、すべり台に加え、大きな砂場にはすなやまポケモンのスナバァも隠れています。この砂場にはたくさんのスコップやバケツ、じょうろが備え付けられ、本格的な砂掘りや造形遊びができるシステムになっており、間違いなく公園のハイライトとなっています。他にもホルビーのパズル壁面やドンファンのすべり台、登って遊べるアスレチック構造などが揃っています。

画像提供:PR Times | ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
サンド公園 設置場所
- 鳥取市:鳥取砂丘こどもの国 園内

画像提供:三重県観光連盟 ©All Rights Reserved | ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ミジュマル公園(三重県)
美しい海岸線を持つ三重県で「みえ応援ポケモン」を務めるのは、お腹に武器にもなるお気に入りのホタチ(貝殻)を持つ、ラッコをモチーフにした「ミジュマル」です。豊かな海の幸や貝類(伊勢エビやアワビなど)で有名な三重県との「海」のつながりに加え、「三重」の音読みである「みじゅう」が、ミジュマルの日本語名「ミジュマル」の響きと似ているというユニークな縁もあります。
三重県では2025年、2つの「ミジュマル公園」が同時にオープンしました。一方は鳥羽湾の美しい海の景色、もう一方は道伯池の穏やかな水辺に面しており、みずタイプポケモンにこれ以上ない最高のロケーションとなっています。特に鳥羽の公園へ向かう方は、広場に着く前からミジュマルの大歓迎を受けることになるでしょう。駅の名札や列車、バス、定期船にいたるまで、エリア内のあらゆる交通機関がミジュマル仕様にラッピングされているからです。
両方の公園とも、巨大な複合遊具がその中心となっています。高さ10メートルを誇るそのタワーの頂上からはミジュマルが顔を覗かせており、張り巡らされたネット遊具や大きなチューブすべり台が備わっています。広場には他にも、ミジュマルのブランコやシーソー、噴水をイメージした回転遊具が設置されています。さらに、ジュゴンのスプリング遊具や、ミジュマルのシェルマーク(ホタチ)で装飾された小さなジップラインなども楽しめます。