日本の銭湯に足を踏み入れたとき、洗い場の隅や水風呂のすぐ隣に、不思議な存在感を放つ「謎の扉」を目にしたことはありませんか?

実はその扉の向こう側こそが、今や日本中で熱狂的な支持を集めるサウナの世界です。北欧フィンランドから伝わったこの「熱い小部屋」は、日本独自の進化を遂げ、今や多くの東京人にとってお風呂と同じくらい欠かせない、心身を整えるための聖域となっています。

しかし、初心者の方にとっては「どうやって入るのが正解なの?」「ただ我慢すればいいの?」と疑問に思うことも多いはず。

そこで今回は、サウナエキスパートたちの知恵をもとに、サウナ体験を最大限に楽しむ方法をご紹介します。

Saunas(渋谷)

日本におけるサウナの歴史

現代のサウナ文化は、北欧のフィンランドやエストニアをルーツに持っています。両国にとってサウナは、ユネスコ世界無形文化遺産にも登録されているほど誇り高き伝統です。実は「サウナ」という言葉そのものが、フィンランド語で「浴場」を意味していています。

サウナとは、一般的に木で作られた、摂氏約70°C〜90°C(施設によっては100°C超)に加熱された部屋のことです。サウナ愛好家(サウナー)たちは、室内の12分計を確認しながら、一度につきおよそ8分〜12分ほど静かに汗を流します。その後、水風呂や外気浴で体を冷やし、これを2〜3回繰り返すのが一般的なスタイルです。

日本に初めてサウナが登場したのは1957年の銀座でしたが、爆発的に普及するきっかけとなったのは1964年の東京オリンピックでした。

選手村に自分たちのサウナを建設したフィンランド人選手たちの逞しい肉体に、当時の日本人たちは驚き、憧れを抱きました。彼らの強さの秘訣としてサウナが注目され、一気に市民権を得たのです。

2010年代に入るまで、日本のサウナは主に「多忙なビジネスマン」のための場所でした。残業続きで帰宅できないサラリーマンが、束の間の休息と仮眠を求めて駆け込む場所――そんな「おじさんの社交場」というステレオタイプが長らく定着していました。

しかし2010年代に入ると、サウナの「おじさん」的なステレオタイプは払拭されていきます。サウナ通いをテーマにした『サ道』という大人気漫画が実写化され、現実世界での人気上昇に貢献しました。YouTubeやSNSを通じてサウナの魅力を発信するサウナインフルエンサーたちも、この趣味を広める上で大きな役割を果たしました。

現在では、リモートワークが可能なワークスペース併設型や、アパレルブランドのようなおしゃれなグッズを販売する施設も増えています。かつての「おじさんの憩いの場」は、今やあらゆる世代が心身を整えるための最先端のライフスタイルへと進化を遂げたのです。

Sauna&coの屋外席

サウナの入り方

裸になって準備ができたら、サウナに入る前にシャワーを浴びて体を清潔にすることが重要です。(銭湯の後にサウナに入る場合は、すでに済ませているはずですが。)恥ずかしければタオルを巻いたままでも構いませんが、必須ではありません。サウナ内では服を着ずにくつろぐのが一般的です。サウナマットが用意されている場合は、1枚持って入り、ベンチの上に敷いてください。

入室した時間に注意しましょう。長時間入りすぎると、めまいや脱水症状を起こす可能性があります。時間が来たときや、不快な熱さを感じ始めたら、マットを持って退出してください。マットを使用した場合は、後で軽くすすいで元の場所に戻し、シャワーで汗を流します。水風呂に入る前に、体から汗を完全に流し落としてください。水風呂にはゆっくりと浸かりましょう。急に入ると「コールドショック」を起こす危険があります。

リフレッシュできたら、ゆっくりとお風呂から上がり、水やスポーツドリンクを飲んで失われた水分を補給してください。その後、椅子に座ってリラックスします。サウナに入っていた時間と同じくらいの間、休憩(外気浴)をしましょう。

常連客は「サウナ・水風呂・休憩」を3回ほど繰り返しますが、あくまで個人の好みです。1〜2回でも十分に効果はあります。

補足

室内には12分計が設置されていますが、初めての人がいきなり12分間入るのはお勧めしません。数分しかいられなくても気にする必要はありません。サウナは競争ではないのですから!

サウナ上がりにはスポーツドリンクや豆乳を飲むのが人気です。排出された毒素の代わりに栄養を補給するのに適しています。

サウナブランド「TTNE」プロデュースの知床のサウナ

サウナの種類

ミストサウナ、塩サウナ、ロウリュなど、さまざまな種類があります。

  • ミストサウナは平均摂氏約40度(華氏104度)で、比較的入りやすいのが特徴です。
  • 塩サウナでは、用意されている塩を体に塗り込みましょう。肌にとても良い効果があります!
  • ロウリュサウナでは、熱した石に水をかけることで蒸気を発生させ、自分で温度を調節できます。蒸気が出ている間が最も熱く、徐々に冷めていきます。水をかける際は数分間あけましょう。通常、一度かければ十分です。

サウナグッズ

サウナーになったら、サウナグッズが欲しくなるかもしれません。

お勧めは「サウナハット」です。髪が熱で傷むのを防ぎ、頭部が熱くなりすぎるのを抑える効果があります。

自分専用のサウナマットを持つのも良いでしょう。ぜひ試してみてください。


この記事は、Kim Kahanによる英語の原文を翻訳・編集したものです。